黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年、買ってよかったもの

2013年も残すところあと少しになった。振り返れば、今年は例年に比べあまり買い物をしない年だったが、その分、手に入れたものは本当に欲しかったものだけだ。今年買ったものの中で、一番買ってよかったものは何か。初めて考えてみる。 今年買ったものといえ…

セーラーのペンクリニックに行ってきた

何も万年筆に限ったことではないが、同じ道具をいくつも持つ人にとって、多かれ少なかれ個体によって愛着に偏りが出てくることは避けて通れない。俺の場合もまた、できるだけ早く購入することに決めたカスタム74を除けば、いま持っている万年筆の中ではセー…

「万年筆は寝かせて書くもの」か?

万年筆は寝かせて書くもの、というのは半分正解であって半分正解でないと思っている。こういう記事があった。マンボウの昼寝「万年筆の筆記角度 再び」http://plaza.rakuten.co.jp/myaa0218nyan/diary/201311120000/たしかに、万年筆はやや寝かせて書く人が…

ローラー&クライナーの万年筆インク、耐水性は……

以前から大騒ぎ、いや小騒ぎしているR&Kのインクについて決定的な情報が入った。ありがたいことに、さまざまなR&Kのインクを使って耐水性実験を行い、その結果を教えてくれた人がいる。 @twaskitter 昨日報告するつもりだったのですが遅くなってすいません…

朝日新聞に3人の万年筆の達人

近年の万年筆ブーム(?)を反映してのことか、朝日新聞に万年筆のコラムが3日連続で掲載された。取材を受けたのは、1日目が『趣味文』でおなじみの万年筆画家古山浩一氏、2日目が神戸ナガサワ文具センターの開発室長竹内直行氏、3日目がセーラー万年筆のイ…

残念だがローラー&クライナーの耐水性は低いらしい

光栄なことに、pgaryさんのブログ「趣味と物欲」で、「ローラー&クライナーは顔料インク」と書いた自分の記事が取り上げられた。そこには実際にR&Kのインクを購入した人が行った耐水性実験の結果が記されている。 結論からいうと、R&Kのインクが(水性)…

【iPhone】【Android】PostEverが便利すぎて日記の更新が数日滞った話

Evernoteと連携したサードパーティー(非当事者)製アプリは多く、俺が長く使っているものでいうとFastEver、DraftPad、Mercury Web Browser、CloudMagicなどがある。もっとも、一度ダウンロードしてみたものを含めればもっとだ。こうしたサードパーティー製…

知らなかった! ローラー&クライナーは顔料インク!

ローラー&クライナーの万年筆インクについて書かざるを得なくなったのは他でもない。古典インクについての記事で「スカビオサ」と「サリックス」が古典インクであることについては述べたが、これらを除く16色が顔料インクであるということをつい先日まで知…

何本までが万年筆初心者なのか?

今月、国内最大手のパイロットから初心者用万年筆「kakuno(カクノ)」が発売され、話題になった。ツイッターでフォローする万年筆ファンや文具ブロガーらがこの万年筆を異口同音に高く評価していたので、気にならないはずはなかった。早速いつもの文具セン…

モレスキンの表紙を海外の古切手でカスタムする方法

トラベラーズノートに飽きてきたなあと思っていたら、アマゾンでポケット方眼モレスキンが338円で叩き売りされるという“事件"があり、折良く2冊ほど手に入れた。せっかく使うなら好きなようにカスタムしてやろうということで、海外の使用済み切手を貼り付け…

【iPhone】iOS 7の「光と影」

まったく新しいiOS ついに「iOS 7」の正式版がリリースされた。いつもながら、夜更かし組の多かったことだろう。俺もやっぱり起きていたので、2時ちょうどにアップデートを開始するというミーハーぶりを発揮することとなった。アップデート開始から40分後、…

iPhone 5ユーザーから見た「iPhone 5S」

ついに出た「iPhone 5S」と「iPhone 5C」 日本時間11日午前2時、俺が寝てる間にアップルが堂々開催した「Special Event September 2013」では、iPhoneの新機種が2つも発表された。1つは「iPhone 5S」、もう1つは「iPhone 5C」である。イベントの実況および要…

筆ペン好きがこだわるぺんてる筆の魅力

筆ペンと万年筆の共通点 万年筆、ボールペンの他に、もうひとつ好きなペンがある。それは筆ペンである。墨と硯がなくても手軽に筆文字が書ける筆ペンは、今でこそ何の目新しさもない、いやむしろ古くさい道具にすらなっているが、まだ筆と硯と墨を使うしかな…

パイロット・カスタム74の書き味に衝撃!

初めてのモリタ万年筆 先日、『趣味文』にもよく出てくる大阪・北浜の有名店、モリタ万年筆に初めて行ってきた。万年筆が定価より2割ぐらい安く買える上に、修理なども受け付けてくれる。創業1946年とあるから、銀座伊東屋(1904年)や神戸ナガサワ文具セン…

なぜ手書きなのか?

文明が振り切れなかった手書き文字 文字の歴史は意外に古く、アンドルー・ロビンソンの『文字の起源と歴史』(*1)によると、この世に文字の原型が誕生したのは氷河時代、つまり最も古くて紀元前2万5000年も前のこと。「始原文字」を用いて、人々は絵文字的…

ラミーのブルーブラックが染料になった今、どのインクに乗り換えるか?

先日、とても残念なニュースが耳に入った。耐水性にすぐれたラミーのボトルインク(ブルーブラック)の製法が変更され、もはや古典インクではなくなっているというのである。これまで、ラミーのブルーブラックはボトルとカートリッジとでインクの成分が異な…

買ったばかりのセンチュリー#3776をペンクリニックで調整してもらった話

センチュリー#3776といえば、言わずと知れたプラチナ万年筆のフラッグシップモデルである。団塊の世代に多い古参ユーザーに圧倒的な支持を得るこのモデルが、最近、若い人々の間でもにわかに注目を集めているらしい。 「日本最高峰」の万年筆 #3776という数…

ガラスペンの魅力

「書けるガラス細工」ガラスペン 万年筆に似た道具で、ガラスペンというものがある。いわゆるつけペンの一種で、1902(明治35)年に佐々木定次郎という日本人によって考案された。その名の通り、ガラスでできている。いわば「書けるガラス細工」で、繊細で透…

バーチカル式手帳を使い始めて2ヶ月

恋人の勧めで、2013年度はハイタイド(HIGHTIDE)というブランドのスケジュール帳を使用している。月間カレンダー・週間カレンダー(バーチカル方式)、フリースペース、地図などを備え、それ以外特に目立った機能もないが、俺には必要十分な手帳である。サ…

AKGのヘッドホン「K451」を購入

オーストリアの首都ウィーンに本社を構えるオーディオメーカー、AKG(アーカーゲー)のヘッドホン「K451」を購入した。AKGのminiシリーズでは最上位機種である。以前から気になっていたソニーの自信作「MDR-1RNC」と迷ったが、小さいくせにすごいK451の衝撃…

知らないと人生損するレベルのiPhoneアプリ10個

2年と1ヶ月使用したiPhone4を、とうとうiPhone5に機種変更した。「iPhone5はダサい。iPhone4を4年使う」と意地を張っていたのだが、2年1ヶ月という至極一般的なスパンで機種変更。意外に意志が弱かった。強いて言えば、A6チップとテザリングの魅力がローキッ…

キンドル・ペーパーホワイト(Kindle Paperwhite)で読書が捗る理由

本好きはペーパーホワイトを買え! 日本での発売からかなり経って、俺もアマゾンの電子書籍端末・キンドルを手に入れた。残念ながら、発売初日に手に入れる計画は、紙の積ん読本が未消化のままだいぶ残っていたのと、購入費用捻出の遅滞のために数ヶ月の延期…

ポメラで捗る日記術・読書記録術

物書き用の最強デバイス、ポメラ このブログの初めての記事「マシマロ」で書いたように、俺にとってポメラはすでに手放すことのできない道具だ。日記、読書記録、新聞メモ、メールや手紙の下書き、ブログの下書き、授業のノート取り、その他あらゆる文章作成…

愛用のレザー小物を紹介!

ツイッターで #鞄の中身を晒せ みたいなハッシュタグが流行したとき、それに乗じて持ち物の写真をアップロードしたのだが、ここで改めて持ち物を紹介(自慢)しようと思う。とはいっても全部を紹介するとクソ長くなりそうなので、今回は専らレザー(皮革)製…

トラベラーズノートをビーズでカスタマイズしよう!

ツイッターやブログなどで見るかぎり、トラベラーズノートのカスタムで一番多いのはビーズを使った装飾である。カバーを閉じる際のゴム紐にいくつかのビーズを通すと、民族的な雰囲気が出て見映えがよくなるのだ。いつかは自分もこれをやってみたいと思って…

トラベラーズノートの掟破りな使い方と手帳術概論

手帳的群雄割拠の時代 毎年、年末や年度末になると、全国の文具売場に特設の手帳コーナーができ、そこには夥しい数の手帳が巨大な魚鱗を組むかのようにずらーっと並ぶ。そしてそこに飢えた目をした漁師(消費者)たちが、「獲物」をしとめようと群がる。もは…

5分で読める「古典インクのすすめ」

万年筆愛好家にとっての永遠のテーマは、それぞれにとっての<万年筆×インク×紙>のベストな組み合わせを見つけだすことだが、なかでもインクは入口が広いので、まず一番に手を染めやすい。入口が広いというのは、専門的な知識が必要ない上に、安価で手に入…

封筒を作ろう

一般的な封筒の作り方にある問題点 文通に親しむ人は、便箋や切手はもちろん、封筒にもこだわる。封筒は手紙の第一印象だ。封筒がどんなものかによって、中身に対する期待感はずいぶんと変わってくる。ありきたりな無地の封筒と、どこで手に入るのかわからな…

パイロットのペンクリニック

3月2日にパイロット開催のペンクリニックに行ってきたので、そのことについて書きたい。 万年筆を「この子」と呼ぶ 万年筆を使い始めて2年にも満たないのに、ペンクリニックを受診するのはもうこれで2回目になる。1回目は昨年の5月27日に開催されたセーラー…

ポスクロはギャンブルだ

文通(手紙)についても書くと決めたので、今回は俺が手紙の世界に入るきっかけとなったポスクロ(Postcrossing)について書いてみた。 ポスクロを始めた時期ときっかけ ポスクロの存在を俺に教えてくれたのは、当時知り合って間もない大学の後輩だった。な…