黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

パイロットCON-70Nが出た

パイロットのCON-70は、万年筆用のコンバーターとして、充填容量の多さとプッシュ式の使い勝手の良さからコンバーター界では不動の地位(当社調べ)を守ってきたが、一つ欠点があった。それは、棚吊りの問題である。棚吊りとは、特定の条件のときに起こりやすい現象で、コンバーター内部にインクが留まり、ペン先のほうまで下りてこないことをいう。原因は不明だが、表面張力も関係しているような気はする。CON-70の唯一の弱点はこの棚吊りにあった。しかし、この弱点すら、今は解消されてしまったかもしれない。 

 ツイートの通り、マイナーチェンジで撹拌用のメタルパーツが内蔵された。これにより、棚吊りしそうになったインクを下に落としてくれるのではないかと期待している。もっとも、シャバシャバの色彩雫では、よほど煮詰めないかぎり棚吊りしそうな気配はないのだが。

まあしかし、新しいのが出たということで、早速買ってきた。

交換して一日使ってみたが、違和感はない。強いて言えば、振ると芯が出る機構のシャーペンのように、カタカタと音がするようになったことくらいだ。カスタム74の書きやすさ、バランスの良さを支えるパートナーであることに変わりはない。