黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

システム手帳「PLOTTER」を使い始めて5ヶ月が経った

手帳新調のきっかけ

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2019年11月、伊東屋ペンクリニックが開かれた際に、まもなく7年目になる「カスタム74」を持って行った。自分としては特に不具合はないと思っていたが、ドクターから「インクの出が少し悪くなっている」と言われ、ペン先の隙間の調整とペンポイントの研磨をしてもらった。とは言っても大掛かりな調整ではなく、調整にかかった時間は1分足らずであった。出来上がった後もはっきりと違いがわかるようなレベルではなかったので、ほとんど毎日使っていて、ここまで良好なコンディションを維持できていたことはむしろ喜ばしい。あまりにもあっさりと終わってしまったため、ドクターとほとんど話をする時間もなく、次の人が待っていたこともあって、お礼を申し上げてすぐ席を立った。

同店のペンクリニックに来るのはこれで3回目だったが、ふと、過去一度もここで買い物をしたことがないことに気がつき、なんだか申し訳ない気持ちになった。そこで、今回は少額でも何か買って帰ろうと思って、店内を散策した結果、見つけたのが…

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「PLOTTER(プロッター)」である。2017年にデザインフィルから発売された比較的新しいシステム手帳で、もとは「LUFT(ルフト)」という名で販売されていたが、2017年からは「PLOTTER」ブランドになっている。オレンジと黒の配色が印象的だ。英語でplotというと「構想」あるいは物語や話の「筋」といった意味がある。PLOTTERはplotを練る(作る)人、あるいはそのための道具という意味だろう。公式サイトの「About PLOTTER」にはこう書いてある。

“PLOTTER”は、[計画する人 、主催する人、構想する人]を表す言葉です。わたしたちは、このような創造力で未来を切り拓く人を「PLOTTER」と定義し、彼らが最高のアイデアを生み出し発想をカタチにし、新しい世界を創り上げていくための道具を提案していきます。

このように、PLOTTERは何か新しいものを「想像する」「生み出す」「作り上げる」、つまりゼロをイチにするような創造的事業のための道具として活用されることを目的としている。なんとも大袈裟だが、まあブランディングとしてはそういうことになっている。

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外観は見ての通り、ざっくり切り出した一枚革を、バックプレートと呼ばれる金具(システム手帳のリングが付く部分)で直接挟み込んだ形である。革は鞣し加工こそしてあるが、それ以外はカットされたそのままという感じで、たとえば端にミシン目があったり、表面への型押しがあったりするわけではなく、非常にシンプルな作りだ。この点では「トラベラーズノート」と同じだが、PLOTTERには金具がついている分、高級感があるように感じられる。PLOTTERはカバーの革もそうだがリフィルも厚みが小さく、システム手帳にしては携帯性がよさそうだ。売場にあったリフィルのラインナップを見ると、月間・週間のスケジュールのほか、メモのリフィルもちゃんとあり、手帳として不自由はない。それどころか、オリジナルのペンホルダーや下敷き、フォルダータイプのリフィルなど、拡張性があり、使い方が多様になってずいぶん楽しそうだ。この辺は、システム手帳の本領というべきか、必要なものだけを組み合わせて、自分だけの手帳を作り上げることができる。楽しいに決まっている。

トラベラーズノートとの近似点と相違点

実はPLOTTERもトラベラーズノートも、同じデザインフィルという会社の事業(ブランド)なのである。自分も前はトラベラーズノートを使っていたので、よく似ている部分と、違う部分とが目につく。大きく違う部分について、簡単にまとめてみた。

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PLOTTER
1. 11ミリ径リング付き
2. サイズは4種類(A5・バイブル・ナロー・ミニ)
3. 革の材質は4種類(リスシオ・プエブロ・ホースヘアー・シュリンク
4. 色は4種類(革の種類により色の展開は異なる)
5. ゴムバンドはオプション

トラベラーズノート
1. リングなし
2. サイズは2種類(レギュラー・パスポート)
3. 革の材質は1種類
4. 色は4種類(黒・茶・キャメル・ブルー)
5. ゴムバンドは標準装備

何と言っても最大の違いはリングの有無にあり、そこが、見た目的にも、機能的にもPLOTTERを特徴づけていると言える。その次に、サイズ・革の材質・色の違いなどがある。価格は、まったく同じサイズがないので単純比較はできないが、ほとんど同じPLOTTERのミニサイズとトラベラーズノートのパスポートサイズで比較すると、PLOTTERが税込1万2100円、トラベラーズノートが同3250円と、4倍近い価格差がある。高いだけあって、やはり、フォーマルなシーンではPLOTTERのほうが違和感が小さい。トラベラーズノートは、ジーンズの後ろポケットに入れて持ち運ぶようなラフさが似合う。

逆に、純正リフィルのラインナップが充実していることや、取扱店の多さ、経年変化(エイジング)を楽しむという思想では共通している。

ミニサイズは譲れない

今回、自分が選んだのは、サイズはミニ、革の種類はプエブロ、色はベージュである。手帳選びで最重要といってもいい条件であるサイズは、躊躇なくミニにした。自分が手帳に求めるのは、常に手の届く範囲にあって、必要な情報がいつでも参照かつ追記・修正できることである。そのためには、いつでも手帳が取り出せるように身につけておく必要がある。そのためには、ジャケットの内ポケットにも無理なく収まり、かつ邪魔にならないよう、軽いものでなければならない。そのためには、サイズはなるべく小さいものでなくてはならない。

たしかに、手帳は大きいほど使いやすい。それは間違いない。紙面が大きいほど、たくさんの情報をそこに並べることができ、全体の厚みが抑えられる。他方、それに反比例して、携行性はどんどん失われていく。なぜならポケットに入らなくなってしまうからである。少なくとも自分にとって、持ち運びやすさは手帳の最大の要件であるから、使いやすさを重要視するあまり、手帳が持ち歩けなくなってしまうならば、それは本末転倒というほかない。ということで、今回自分にとっての選択肢は、最も小さいミニサイズしかあり得なかった。

悩んだのはむしろ革の種類である。伊東屋で展示されていたサンプルを見比べて、どれもそれなりにいいなと思った。悩むということは、悩む当人にとっては大して差がないということである。最終的にはプエブロを選んだわけだが、公式サイトでは、プエブロはこう説明されている。

「プエブロ」は、イタリアの名門タンナー「バダラッシー・カルロ社」が仕上げた、ダイナミックなエイジングが特徴の革です。また、熟練職人が専用の金属タワシで丁寧に擦ることで革の表面を少し起毛させています。使い込むほどに表面の起毛部分が寝ることで平滑性が増しつつ色が濃くなり、革の中にたっぷり含ませたオイルがゆっくりとしみ出てくることでしっとりとした光沢感のある佇まいに変化します。革本来の特徴であるキズやシワ、トラ(牛の首筋などの表面にスジのように入っているシワで希少な縞模様となったものを「トラ」と呼ぶ)などを存分に味わえるよう、自然な表情を活かした仕上がりとなっており、本革ならではの個性をお楽しみいただけます。
https://www.plotter-japan.net/SHOP/205162/205163/list.html

キーワードは「ダイナミックなエイジング」「光沢感のある佇まい」「本革ならではの個性」である。

プエブロを育てる決意はこの瞬間に

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今回、改めて感じたことがある。実物を店頭で確認することは極めて重要である。というのも、公式サイトの写真は、実物とまったくといっていいほど違うからである。特にプエブロのベージュは、経年変化で別物のような色になる。自分が伊東屋で見た展示品は、もはや飴色を通り越して、黄褐色になっていた。あそこまで育った革は、なかなか見ることができない。表面は、まるで木の皮のように、たくさんの大きなスジが縦に走り、リングの当たる部分を中心に色濃く変色していた。手触りはさらさらというよりはざらざらしており、同時につやつやして、全体はくたっとして柔らかく、実にいい感じだった。自分はその展示品を持って帰りたいくらいだったが、そうもいかないので、それと同じようなものを数年かけて育てる決意で、ベージュを買ったのであった。

ベージュの革は、その名の通りベージュ色をしており、正直最初は魅力がないが、我慢して使い続けるうちに革が育ってくる。やがてベージュではなくなる日がくる。使い始めてから、5ヶ月が経つ。毎日、スーツの内ポケットに入れて持ち歩き、日に何回も開いて書き込んだり見たりしている。わずかながら表面に光沢が出てきたし、リングのあたりがうっすら出てきたところはあるが、目標の状態には程遠い。早く育ってほしくて、用もなく撫でたり揉んだりしているが、やはり数年はかかりそうな予感がしている。

リフィルは厳選して4種類

ではリフィルの話に移ろう。自分は4種類のリフィルを使っている。

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1. ジッパーケース
これはアシュフォードという手帳メーカーの商品である。半透明のナイロン製リフィルで、片面に浅いポケットが付いている。反対の面は何もない。リング側の対辺がジッパーになっている。収納可能な部分の広さは50×120ミリ。あまり広くないが、切手や小銭、チケットなどを落とさずに持ち運べるので便利だ。手荷物が多くなるのが嫌いなので、ジッパーケースに必要な分だけお金を入れ、財布は置いていくことが多い。間違っても手帳を置いていくという選択肢はない。店に並んでいる時と料理を待っている時は絶好の手帳タイムだからだ。この時に手帳を見直し、必要なことを書き足す。

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2. メモ
2ミリ方眼の純正リフィルである。罫線が非常に薄く、ほとんど無地に近いが、これくらいでちょうどいい。書く内容に制限は設けていない。やるべきこと、本の抜き書き、行きたい店、気づいたことなどを、主にシャープペンシルで書いている。ときどき万年筆を使うこともあるが、シャーペンのほうが消せるので、使い勝手がいい。もちろん、使っていて気分が上がるのは万年筆だ。このリフィルは特漉き(特注)で、薄くて軽い割に、万年筆でも裏抜けがなく、書きやすい。角が丸く処理されているのも、地味だが気が利いている。80枚で528円(ミニサイズの場合)とやや値段は高めだが、品質は十分だ。書く内容に制限がない分、最もページ数が多くなるリフィルでもある。いずれバインダーに収まらなくなるはずなので、その時は別のバインダーに移して、保管することを検討している。すでに保管用のバインダーは購入済みで、「エトランジェ・ディ・コスタリカ」のミニ6穴バインダーが385円と安価だった。一年ごとにファイルを変えていくつもりである。リフィルの角に、手書きでページ番号を振っている。このページ番号があると、よそのページからピンポイントでリンクを貼ることができるので、メモとスケジュールの連携が飛躍的に高まる。

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3. 月間スケジュール
これも純正リフィルである。このリフィルは、見開きで1ヶ月のカレンダーになっている。月曜始まりで、縦に6列あり、左ページに月火水、右ページに木金土日がある。つまり、土日は最後の1列にまとめられて(正確には1日分のコマが上下に分割されて)いて、スペースは平日の半分しかない。これが少し使いにくい部分ではある。自分も最初見た時は、正直これは頂けないと思った。しかし、6列にすることでレイアウトがきれいに保たれていることは事実であって、もしこれが奇数の7列だったら、真ん中の木曜日が左右のページの分かれ目で真っ二つに分断されることになってしまう。じゃあいっそのことメモ用にでも1列追加して、8列にしたらいいではないかとも思ったが、そうすると1列あたりの幅が6列の場合に比べて25%も狭くなってしまう。それでは書けるスペースがあまりには小さいような気がする。結果的に、ミニサイズに限って言えば、土日を分割するのがベストなのではないかと思った。幸い、予定は平日が中心で、土日はあっても一つや二つにすぎない。また平日であっても自分は一日にいくつもの予定がないタイプなので、週間スケジュールリフィルではスカスカになってしまう。一日1ページタイプのスケジュールは、言わずもがなである。現状、小さな字で書き込めば、予定はほとんど月間スケジュールで管理できている。書ききれない量の情報があるなら、とりあえず月間にはキーワードだけ書いておいて、あとはメモに回す。そのメモのページ番号を月間のほうに記しておけば、いつでもすぐ参照できるのである。少しの手間で、手帳は格段に使いやすくなる。毎日、月間スケジュールの日付を蛍光ペンで塗り潰していくのも同じような理由からであり、これをすると、開いて1秒で「今日」の場所に辿り着くことができる。

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ついでに、手帳を開いてすぐのところにある年間カレンダーでも、日付を塗り潰していくことによって、一年のうちの3割が終わったとか、もう少しで半分だとか、残り時間がビジュアルで意識できる。つまり、アナログ時計と同じような効果があるわけだ。付箋については、自分はそれを多用するタイプではないが、栞がわりに常に2ヶ所に貼り付けている。1枚は2ミリ方眼メモの現在の場所、もう1枚は今月の月間スケジュールの場所である。付箋を指で押さえながら手帳を開けば、瞬時にそこにアクセスできる。角を切り取るタイプの手帳もあるが、それと同じような仕組みである。これ以上の方法はおそらくないのではないだろうか。その他、運用上のルールをいくつか作っている。たとえば、仕事の予定は四角で囲む。予定は略語も使い、できるだけ簡潔に記す。予定はコロコロ変わるものなので、ボールペンや万年筆は使わず、シャープペンシルで書く。

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ついでに言っておくとシャープペンシルは、トンボ鉛筆の「モノグラフ」を使っている。モノグラフはおすすめである。見た目がかっこいいし、重心のバランスもよく書きやすい。そして何より、消しゴムがおまけレベルでない。一般的なシャープペンシルに付いている小さな消しゴムは、字を消そうとしても、逆に汚れを広げるような粗悪品が多い。そのため、消しゴムは別で持たなくてはならなかった。ところがモノグラフに使われているのはトンボの看板商品・MONOであり、さすがによく消える。口紅のようにひねると出てくる構造になっていて、消しゴムは比較的大きめのものが内蔵されているので、広範囲を楽に消せる。また、消しゴムはちゃんと詰め替え用があり、経済的である。実に隙がない。手帳用に、ものすごく細くて短いシャープペンシルがオートやパイロットなどから出ているが、消しゴムが実用的でないという一点で、モノグラフに劣る。

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4. カードホルダー
カードホルダーのリフィルには、会社のカードキーと、予備の名刺を入れている。また一時的にレシートやチケットなどを挟んでおくこともある。手帳によっては、カバーの内側にカードが差し込めるポケットが付くものもあるが、PLOTTERはぺらっとした1枚の革なので、ポケットも何もない。小物を保持するためには、リフィル側で何とかして、このカードホルダーか、ジッパーケースか、エンベロップフォルダーを使うしかない。エンベロップフォルダーは純正アクセサリーの一つだが、なかなかユニークな商品で、使いようによっては面白いかもしれない。しかし、厚紙が何枚も重なる上に、中に物を入れることでさらに厚みが出てしまうので、個人的にはあまりおすすめできない。また、紙製のエンべロップフォルダーは内容物が見えなくなってしまうので、その点でもナイロン製のリフィルのほうが使いやすいと思う。

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手帳を考え直す本

いったん定着した能率手帳ゴールドをやめて、PLOTTERに移った理由は、端的に言って月間カレンダータイプにどうしても戻りたかったからだろうと思う。そして、やっぱりあの展示品の革を見た瞬間から、どうしてもPLOTTERというシステム手帳を使ってみたかった。

綴じ手帳からシステム手帳へ移行するにあたって、手帳術の本を集中して読んだ。再読本を含めて、10冊くらいは読んだと思う。中でも面白かった・役に立ったのは、次の3冊である。

『手帳300%活用術』(日本能率協会マネジメントセンター, 2009)
神龍彦『手帳と日本人』(NHK新書, 2018)
神龍彦『最新トレンドから導く手帳テクニック100』(枻出版社, 2018)

なかんずく『手帳300%活用術』は良書である。編集は日本能率協会マネジメントセンターによるものだが、能率手帳のユーザーでなくても十分参考になるので、すべての手帳ユーザーにおすすめする。本書で紹介されるテクニックは、シンプルだが強力で、汎用性があるため、どんな手帳にも応用がきく。また、たくさんの図や写真を伴っており、いちいち具体的である。手帳「術」の本を1冊だけ選ぶとしたらこの本をおいて他にあるまい。第二に挙げた『手帳と日本人』は、手帳の歴史について学べる一冊である。「手帳は文具と自己啓発の二つの河に挟まれた肥沃な三角州」との分析が面白い。こちらは手帳ブームという現象に関心があるならば一読をおすすめする。最後に、『最新トレンドから導く手帳テクニック100』は、『手帳と日本人』の著者によるカラフルなムックで、先述の2冊より「実例主義的」で、気軽に読める。いろんな人の手帳を覗き見できて、自分に合った使い方を見定める上で参考になる。

綴じ手帳とは違い、システム手帳は使用年数が長くなるほど、減価償却的に対費用効果が上がる。もちろんリフィルは都度買い足さなければならないが、維持費は綴じ手帳よりも遥かに低い。その分、初期投資額がやや高めになる傾向がある。バインダーがレザーの場合などは特にそうだ。だからこそ長く使っていきたいという気持ちはある。しかし、めちゃくちゃ高い手帳でもないため、仮に合わなかったらその時は諦めがつく。

使ってみての感想

PLOTTERを使い始めて5ヶ月が経った。買う前のイメージと違っていた部分は、これと言って特にない。ほぼイメージしていた通りの使い方だ。ミニサイズなので定位置はジャケットの内ポケット。鞄には入れない。鞄に入れると移動中はまず見なくなってしまう。職場に着けばジャケットは脱ぐので、PLOTTERは机の上に置きっぱなしになる。ある時は予定を確認し、ある時は電話しながらメモを書き付けたりするなど、もはやなくてはならないくらいの存在である。

あえて不満を述べるのであれば、月間スケジュールを両面印刷にしないでほしい。たとえば4月の月間スケジュールリフィルの裏面には、5月の月間スケジュールが印刷されている。これで何が問題なのかというと、本当は月間スケジュールの直後に1ヶ月分のメモリフィルを入れたいのである。3月カレンダー→3月メモ→4月カレンダー→4月メモ…という具合に。月間が両面印刷だと、これができない。そのためメモはメモとして、月間は月間として完全に分かれている。ただ、強引な方法を採れば、これを回避することもできなくはない。月間リフィルを2セット買い、片面しか使わないことである。そうすればカレンダーとメモを交互に挿入できる。しかし、使いもしない面があるというのは無駄に厚みと重さを増やすことになるので、そこがどうかと思う節はある。何事も、100%の理想を叶えるのはほとんど不可能だ。何を取り、何を手放すか。自分はサイズを取り、リフィルのデザインには従うことにした。

これでしばらく手帳を変えるつもりはないが、果たしていつまで続くのか、自分自身を冷ややかに観察していきたいと考えている。