愛用のレザー小物を紹介!
ツイッターで #鞄の中身を晒せ みたいなハッシュタグが流行したとき、それに乗じて持ち物の写真をアップロードしたのだが、ここで改めて持ち物を紹介(自慢)しようと思う。とはいっても全部を紹介するとクソ長くなりそうなので、今回は専らレザー(皮革)製品を取り上げる。紹介するのは財布、キーケース、ペンケース、パスケースの4種。特に変わった使い方もしていないので、ライフハック的な記事を期待している読者には申し訳ない。
持ち物を観察すると、持ち主の性格がおぼろげに見える気がするのは俺だけだろうか。少なくとも俺は自分の持ち物にポリシーがある。それはまずシンプルであること、次に機能的であること、そしてかっこいいこと。壊れない限り一生使えそうなものが好きだ。
では淡々と紹介していく。
財布
素材は光沢のある本革で、型押しのため手触りはぎざぎざしている。四角い形だが、角や表面などには微妙な丸みがある。尖った中に柔らかさがあるといった感じで、中性的な印象を受ける。表面に反射する光に表情が生まれるのは、見ていて心地いい。
非常に噛みのいいYKKのラウンドジップを開けて中を広げると、左下には金色の刻印で「COMME des GARCONS MADE IN SPAIN」の文字。
この刻印とジップの金属部分だけが金色で、黒に対する差し色になっている。まるで王道の万年筆をも想起させる黒と金のコンビネーションは奇を衒わない分、飽きのこない堅実なデザインといえる。
2年近く使用しているこのコムデギャルソンの二つ折り革財布は、2011年5月9日、百貨店で購入した。定価は約35,000円。ギャルソンは奇抜という印象から近付かなかったが、こういう製品もあるなら全然行ける。満足度は非常に高く、すべての小物のうちで最高かもしれない。
この財布は何といっても質感と手触りがよく、いつまでも愛でていたい気分になる。値段は中堅レベルなのに、質感はハイブランドの財布にも劣らない。それにギャルソンだからなのか、まだ同じ財布を持つ人を見たことがない。それがちょっと嬉しかったりする。
ところで財布を語る上で無視できない論争が「長財布か二つ折り財布か」というもの。俺が財布を選ぶ際には、まず二つ折りであることが絶対条件になる。これは譲れない。たしかに二つ折りには紙幣が折れ曲がるというデメリットがあるが、二つ折りのメリットに比べれば、そんなことは取るに足りない。
二つ折りはなんとなく「男の財布」という感じがする。くたびれた二つ折りの財布に、なんとも言えないかっこよさがある。無骨さと言ってもいいかもしれない。紙幣が折れても気にしない野性。あくまで道具として使いこなす発想。そう考えると、紙幣が折れるからこそかっこいいんだという気もしてくる。
次に重視したポイントは、小銭入れの形状。硬貨の取り出しがいかにすばやくできるかは、財布の機能性の根幹に関わる。その点、この財布は申し分ない。いわゆるボックス型の小銭入れであり、中身が一覧できる。
カード収納可能枚数は最大で8枚ほど。多くもないが、少なくもない。俺はキャッシュカード2枚だけを入れている。クレジットカードはパスケースに、その他会員カード類はカードケースに入れている。
買い換えても後悔しないぐらいの財布が見つかるまでは、大事に使う予定。まだ壊れてもらっては困る。
キーケース
キーケースは特にいらないといえばいらなかったのだが、お気に入りの文具店で手に取った瞬間「欲しい」が止まらなくなってしまった。価格は約3000円。
俺は手触りのいい物によく魅了される。このキーケースに使用されているのは、フィンランドに生息するヘラジカの革。厚さは4mmもあり、相当の強度と弾力があるように思われる。表面はすべすべでしっとりとしており、温かみがある。もちろんのことだが、経年変化も楽しめる。
刻印されたロゴには、角の生えた動物が見える。シカにも見えるが、よくわからない。
YKKの滑らかなジップを開けると、全部で4つのキーホルダーが付いている。中でやや絡まりやすいのが難点だが、さほど大きなストレスではない。家の鍵や自転車の鍵を付けている。
最大の特徴は手触り。とにかくこの革の手触りは病みつきになる。
キーケースの他に、ペンケースやデジカメケースもある。すべて国産というのがうれしい。PARLEYという会社が作っている。
ペンケース
もし俺が万年筆ユーザーでなければ、キーケースと同じヘラジカの革で揃えたかったところだが、扱いに慎重さが求められる万年筆を使っているので、そうはいかない。
そこで、ナガサワ文具店オリジナルの3本差しペンケースを使っている。スーベレーンM400を深く愛する谷内さんによって生み出されたキップ(仔牛の革)のペンケースである。谷内さん曰く「爆発的にヒットした商品」だそうだ。神戸タワーをイメージして設計された独特の形状、3本差しの構造から偶然に得られたペンレスト(ペン置き)としての機能、そしてやはりキップが持つしっとりとして滑らかな手触りが特徴。経年変化は比較的容易に楽しめる。
作りに無駄がなく、実にコンパクトにまとまっている。そのため、スーツの裏ポケットにもすっと入る。手ぶらに見せかけて、懐に3本ものペンを忍ばせておけるという忍者的ツールだ。
このペンケースにM400、プロギアの2本と、携帯用のはさみを入れて持ち歩いている。はさみはそのままだとちょっときついので、クリップの部分をカッターで無理やり切除してやった。
これですっと入る。ちなみにこのはさみ、まだ知らない人はぜひ手に入れた方がいい。小さいなりに本格的なのだ。刃はキャップを外せば出てくる。柄の部分にあるつまみを下げれば、指を入れるための取っ手が出てくる。切れ味はかなりいい方だ。外出先でもはさみは意外と必要になったりするので、持っておいて損はないはず。
このペンケースは複数のサイズ展開がある。M400程度の万年筆ならSサイズがぴったり入る。色はブラックとボルドー。いずれもさりげなく鍵のマークが刻印されている。価格はSサイズで5250円。対費用効果はあり得ないほど高い。強くおすすめする。
ところで、実はもう一つ革のペンケースを持っている。こちらは3本差しのようなストレートの形状ではなく、ロールペンケースだ。メーカーはドイツの文具大手・ステッドラー。キップのペンケースを手に入れてからは出番が少なくなったが、自宅でボールペンを使って作業するときは今でも机の上に広げる。
財布同様、くたびれたロールペンケースにもかっこよさがあると思う。さあこれから作業をしようというときに、ふーっと一息ついて、静かに紐をほどき、ペンケースを広げる。ちょっと迷ってお気に入りの一本を選び、手に取る。そういう一つ一つの挙措が美しく見えるのが、ロールペンケースのよさだ。
ステッドラーの革が育つまでにはもう少し時間がかかりそう。もっとヘビーに使いこなしたいところだ。
パスケース
初めてのバーバリーである。定期券、クレジットカードなどの重要なカードはこのケースに入れて持ち歩いている。もらうまではパスケースは特に必要ないと思っていたが、いざ使ってみるとかなり便利で手放せなくなった。財布よりもはるかにコンパクトで、ズボンのポケットに入れてもかさばらない。ジップもなく、取り出しがスムーズにできる。また、意外な効用もあった。このパスケースを持つようになってから、切符をなくさなくなった。
素材は牛革で、ドライな肌触り。強度はある。ロゴは外と内の両方に付いている。
バーバリーチェックが意外なところに隠れていることには、長い間気が付かなかった。控えめなデザインなので持ちやすい。