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黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

ヘルツの2wayショルダーバッグ「A-20」を買った

ヘルツではじめて鞄を購入したのは今からちょうど1年ほど前の話だ。 

これが俺にとってはじめてのヘルツだった。仕事用にパイロットケースを購入したが、実際には仕事はもちろん、プライベートでさえも使っており、使うほどに愛着が増してきた。傷はついてもいいと思いつつ、まあそこそこ大事に扱ってきただけあって、かなり状態はいい。ただ買ったばかりの頃と比べて、革の表情は変わってきたように思う。持ち手の部分は飴色ともいうべき色に深まった。しかし街でときどきヘルツと思われる鞄を持っている人に遭遇するが、どれも別物のような見た目になっており、自分などはまだまだなのだということを思い知らされる。ただし、革を育てることと革をボロボロにすることは同じではない。雨にさらして染みを作ったり、手入れを怠ってガサガサに乾燥させたりするのは避けたい。大事に扱いつつ、細かい傷をたくさんつけて革を育てていきたい。

 

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パイロットケースを買って7ヶ月ほど経ち、2個目の鞄が欲しくなった。今度は小さめの鞄を探した。パイロットケースは13インチのMacBookが楽に入るサイズのため、ちょっとした外出には少し大袈裟だ。しかも四角い形のため、ビジネスの雰囲気がどうも抜けない。休みの日でもネクタイを締めることが多いのでだいたいパイロットケースでも問題ないが、そうでないときのために、もうちょっとリラックスして持てるやつが欲しくなった。そこで南堀江の工房を訪ねたところ、手ごろな鞄が見つかった。それが「2wayショルダーバッグA-20」である。まず一番に目に付くのは外側に付いた2本のベルトとドラえもんのように腹に付いた小さなポケット。そして湾曲した底面。サイズはSとMの2種類があり、Mサイズだと割と大きく、ビジネスにも使える。俺は脱ビジネスな雰囲気の鞄を求めていたこともあり、今回はSサイズにした。Sサイズのほうがぼってりした印象。Macは入らないが、ポメラは入る。縦にするとママチャリの前かごにすっぽり入るサイズだ。マチ(奥行き)が大きく取られており、ポメラのほか、財布、iPhone、万年筆、トラベラーズノート、ハンカチ、目薬、ハンドクリーム、眼鏡ケース、定期入れなどが入る。これだけあれば鞄ひとつで出歩ける。

 

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ベルトはパチッとはめ込む金具が付いている。ベルトは飾りのようなもので、実際にはベルトを付けたまま開け閉めすることができる。パイロットケースもボタンをパチパチと2ヶ所押すだけで開けることができ、非常に便利だった。今回もパチパチと2ヶ所の金具を外すだけで開け閉めできるので、使い勝手は良い。革の剛性がすごいので少し重たいが、ベルトを外せば手に持って運ぶこともでき、俺はどちらかというと手に持つほうが好きだ。肩に掛けて歩くことはあまりない。それをやると2~3時間で肩と腰が痛くなってくる。カラーバリエーションはいつものようにキャメル、チョコ、黒、赤、グリーンの5色展開。パイロットケースはキャメルにしたため、今回はどのような形の鞄にせよチョコにしようと決めていた。ということでチョコを選択。肩掛け用のベルトが長かったので切ってもらった。今回のベルトはパイロットケースのベルトに比べて少し太く、それだけでも多少肩には楽なのだが、有料のクッション付きショルダーストラップがあればなお楽だ。ただ、思ったより高かったので俺は買わなかった。どれだけストラップが太かろうと、鞄とその中身が重たければやはりしんどい。

 

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底には鋲が4個付いている。鋲があるのとないのとでは大違いだ。見た目にも、機能的にもだ。鋲があると、地面に直接置いても革が接地しないのが良い。地面が塗れていたり、汚れていたりしても鋲しか当たらないので、安心して置ける。ただ、今回のショルダーはバランスが崩れるとすぐコロンと倒れてしまうのが難点だ。倒れれば、鋲で支えていた意味がない。唯一の欠点はそこにあるといえる。逆に持ち手(グリップ)は非常によくできている。ヘルツの鞄はどれも持ち手が握りやすく、そこはとても良いと思う。

 

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オーダーから完成まで5週間。長い5週間だった。オーダーメイドにもかかわらず、代金は後払いなのはありがたい。つまり完成品を見て気に入らなければ、客は買い取りを拒否できる。店側としても展示品として店に飾るだけなので、別に困らないと言っていた。このブログのアクセス解析を見るに、ヘルツの鞄を買った感想を知りたがっている人は一定数いる。経験からいえば、ネットで見て目星を付けておいた鞄と、実際に工房で見て選んだ鞄はほぼ確実に違うものになる。実物でサイズや色、手触り、容量、(ボタンやベルトなどの)ギミックを見ると、必ずといっていいほど目移りする。また、鏡の前で持ってみると、良くも悪くもイメージ通りにいかないことが珍しくない。そのため、予算はかなり柔軟に組んでおく必要がある。実際、過去2回のヘルツでの買い物で、2回とも予算オーバーになってしまった。もちろん後悔はない。

 

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しかしまあ、受け取りに行くときのワクワク感は如何ともしがたい。受け取ってすぐ鞄を使い始められるよう、家からは手荷物を紙袋に入れて持っていった。新しい物を買ってすぐ使いたくなる癖は昔から直らず、初めてiPhoneを買ったときもスタバで初期設定をやったり、ユンハンスを買ったときも定食屋で料理が運ばれてくるまでの間に急いて開封した思い出がある。我ながら子供じみているなあと思う。

 

2回とも硬い革の鞄を買ったので、3回目があるとしたら、次は柔らかいOrganシリーズでも買おうかなと思う。と言いつつも、やっぱりダレスバッグが欲しい。だがそれよりも先にグローブトロッターとリモワが欲しい。鞄探しの旅はまだまだ続く。