黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

2015年の手帳をたった1分で選んだ話

一瞬、記事のタイトルを「ほぼ日手帳を買いました」にしようか迷ったが、結局違うのに変えた。というのも、「ほぼ日手帳を買いました」ではややインパクトに欠けるし、何よりほぼ日手帳は買っていないからだ。俺が買ったのは、むしろほぼ日の対極にあるような手帳である。個人的に、ほぼ日は受け付けない。

 

手帳選びという消耗戦

 

毎年、9月に入った頃から手帳選びの話題がネット上でちらほら出てくる。手帳選びというと、俺はまずロフトの手帳コーナーにできる人だかりを想起する。あれだけの種類を集めた売場は、そうない。俺も大学1年のとき、初めての手帳をロフトで選んだ。種類がある分、自分のお気に入りは必ず見つかるだろうと思っても、案外どれも微妙なところで好みから外れ、これだというものは見つからない。さすがに俺は30分ぐらいで決めたが、何時間でも売場にいるという人も少なくない。選択肢は、多ければいいというものでもないのだ。

 

 

手帳を買ったきっかけもたまたま売場で見かけたからで、手帳を買うためにわざわざヨドバシに行ったわけではない。手帳コーナーの充実ぶりはヨドバシもけっこうすごい。特に高橋とか能率のようなビジネス系の手帳の数が夥しい。博文館のミニ手帳は、特設の手帳コーナーからほど近い、けれどちょっと離れた「おまけ」のようなコーナーにあった。2014年も後半は手帳をまったく使っていないので、いるかどうかから検討し直さなければならないところだが、さすがにあったほうが便利だなあと最近思うようになった。なので買う方向で話が進んだ。あとは予算、見た目、大きさ、種類(仕様)で決めるだけ。

 

手帳選びの基準

 

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まずは予算。俺の場合、これは簡単で、とにかく安いほどいい。手帳にはお金をかけないと決めたので、今回の500円という価格は要件を十分満たした。

 

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次に見た目。シルバーグレーの表紙が気に入った。派手と地味の間にあるような、キラキラしているけど渋い色の手帳である。「2015」以外の文字が入っていないのも好印象。

 

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大きさも、これを見た瞬間に「小ささは正義だ」と思った。今まで文庫サイズ以上の手帳を買って、長続きした試しがない。いま思えば、原因はまずサイズにあったのだと思う。でかいから持ち歩けない。鞄に入れてもかさばるし、書くときは机がいるし、なんとなく心理的な圧迫感がある。ミニ手帳はクレジットカードと同じサイズなので、ポケットにすっと入る。片手でページをめくることもできる。

 

唯一複雑なのが種類(仕様)。中でも、俺がまず譲れなかったのは綴じ方。王道ともいえる糸かがり綴じでないと、買う気がしない。180度きれいに開いて、強度があるというのは手帳の絶対条件と言ってもいい。俺が譲れないのはこれぐらいで、あとはだいたい何が来ても我慢できる。月間カレンダーが月曜始まりだとなお良かったが、このミニ手帳は残念ながら日曜始まり。月間が日曜始まりなのに、週間が月曜始まりなのは設計ミスなのか、何なのか。いずれにせよ、日曜始まり派との紛争は絶えない。ついでにきのこの山派も滅びろ。

 

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俺が買ったミニ手帳の仕様は、まず年間カレンダーがあって、次に月間カレンダー、週間カレンダー、空白ページ、連絡先記入欄と続く。閉じるとクレジットカードサイズなので、どのページも多くを書き込む余裕はないが、日に何個も予定を作る多忙マンじゃないので大丈夫。極論、月間カレンダーだけでもいいかなと思うくらいである。

 

あとはリング付きのカバーに毎年新しいリフィルを入れて使うシステム手帳というのもあるが、リングが付いている時点で俺は却下。書くときにリングが手に当たるのは完全にアウト。だからリングノートも嫌い。

 

手帳選びのコツ

 

1分で手帳を選んだのは今までで最速だった。あまり他を見ないで買うと後で後悔するかなと思ったが、今のところは清々しい気分だ。絶対に譲れない条件を1つ2つ決めておいて、あとは直感で選んでしまうのがいいと思う。後悔しないようにとあれこれ悩んで買った手帳に後悔がないとは言い切れない。むしろ多いのではないかとさえ思える。失敗だったときは捨てて、新しいのを買い直せばいいのだ。これはお金の無駄でもないし、いわんや時間の無駄でもない。手帳の第一の役割が時間(お金)の管理・節約であるならば、その手帳選びに時間を浪費する行為は、まったく矛盾したものであるように俺には思える。もちろん、それは生産性を上げるための「道具」として手帳を見たときの話なので、趣味の対象として見る場合は除く。

 

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