黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

かけてないほうが違和感あるぐらいかけ続けろ、それがサングラスの極意だ

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子供の頃からサングラスが好きで、よく母の車に常備してあるのを拝借してちびっ子ギャングになっていた。父も1〜2本は持っていて、遠出するときはDEENの流れる8人乗りをぶっとばす(唯一の)かっこいい横顔があった。原風景ともいうべき記憶である。

 

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18のとき、最初のサングラスを買った。レイバンの「アウトドアーズマン2」である。当時、ファッション誌の中でこのサングラスをかけたオーランド・ブルームのかっこよさがめちゃくちゃ印象に残っていて、一瞬だけ髪型も真似したぐらいだった。アメリカ人の大きな顔に合わせて作られた62mmのレンズは今から思えば俺に合うわけもないが、初めての1本にティアドロップを選んだ勇気はすごいと思っている。

 

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汗止めのバーと、耳にかかる部分が傘の取っ手のように湾曲した「縄手」とよばれる形状が特徴である。いずれも目に汗が入るのを防いだり、サングラスがずれたりするのを防ぐといった機能美を有している。さすがに空軍パイロットの依頼で誕生したブランドだけあって、おしゃれアイテムというよりは、道具そのものである。

 

レイバンというブランドは1999年にイタリアのルクスオプティカ社に売却され、以降レイバンの全モデルがMADE IN ITALYになった。俺のアウトドアーズマンはそれ以前にアメリカのボシュロム社が作ったものである。イタリア製のレイバンは安いのだが、その分作りが甘い部分もある。USレイバンはまさに質実剛健といえる作りで、今でも高い人気がある。残念ながら俺が持つレイバンはこのアウトドアーズマンだけがUSレイバンである。

 

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そして次にド定番の「ウェイファーラー」(RB2140)を買った。レイバンを代表する傑作で、最近また流行っているような感じもある。街中でかけているとけっこうな確率で他人と被るので、ここぞというときの必殺アイテムとしては使いにくい。とはいえ、時と場所を選ばない優れたサングラスであることは間違いなく、1本持っていて絶対に損はない。(写真撮る前に一応磨いたけど、埃と傷が目立ってる…)

 

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ウェイファーラーのかけ心地はずば抜けている。最初の1本がアウトドアーズマンだったこともあるが、それに比べるとめちゃくちゃ軽く、負担がない。フィット感もすごい。ウェイファーラーはそもそもが小型のサングラスだが、それでも欧米仕様はレンズが50mm以上あるので、やっぱり大きい。そこで47mmのスモールを選んだ。結果、この判断は正しかった。

 

フレームはライトトータスと迷って普通のトータス(鼈甲)にしたが、実際はイメージと違って、ほとんど黒にしか見えなかった。そのため、理想よりも明るい色を選ぶことを以来の教訓としている。

 

お気に入りのトータスのスモールウェイファーラーは、使いに使い倒した結果、プラスチックのテンプルがヒンジのところでポキッと折れた。今は恋人が自分用に買ったウェイファーラー(トータスではなくブラック)を臨時で借りて使っている。写真もブラック。ウェイファーラーはいずれまた新しく購入すると思う。

 

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そして3本目は京都・河原町レイバンショップで見つけて以来、頭を離れなかったラウンドメタル。好きなバンドの影響で丸眼鏡はずっと欲しいと思っていたのだが、ついに自分の理想とするようなモデルを見つけた。型番はRB3447。サイズは47mm、フレームはゴールド。もっとアンティーク寄りのゴールドであれば言うことはないが、USレイバンではないので仕方がない。これだけ軽いメタルフレームが手に入っただけでも満足である。

 

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ラウンド型はなんとなくバカンスや海を彷彿とさせて好きだ。とんぼの目のような大きなサングラスより、小さくてもどこか引き付けるようなサングラスのほうがいい。レンズの色でもっと遊んでもよかったが、結局定番のG-15レンズにしてしまった。でも、目とレンズとの距離がちょっと開くので、光の当たり方によってはうっすらレンズの奥が透けて見える。真っ黒のレンズよりはそのほうがいいかなあと思う。ラウンド型が似合わない人はとことん似合わないけど、俺は何人かに似合うねと言ってもらえて嬉しい。

 

とまあのんびりと3本のサングラスを集めたわけだが、当然これだけでは飽き足らず、次はウェイファーラーによく似た形の「クラブマスター」が気になって仕方がない。クラブマスターはウェイファーラーに並ぶレイバンの人気モデルだが、正直、最近になってその良さがわかり始めた。イタリア製なら半額で手に入るのだが、ここはもう1回USモデルで買いたい。ネットでデッドストックを見つけたのでそれを狙っている。

 

サングラスの何がいいのか。考えてみたところで大した答が出てこないけど、なんとなく、かけるだけで違う自分になれる気がする。かっこよくて便利なペルソナ(仮面)というか、そんな感じである。ちなみに、サングラスをかけた他人の横顔がとても好きだ。正面ではなく、横から見た顔である。

 

ちなみにサングラスが異常に似合うと思う人は、ベッカムジョニー・デップマイケル・ジャクソンの3人である。逆に異常に似合わないと思うのはノエル・ギャラガーで、唯一奇跡のショットがこちら。

 

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好きだからとて、万年筆と同じで、サングラス収集もほどほどにしなければいけない。