黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

マシマロ

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注目されるブログの条件

ブログを開設するのは、これで何回目だろう。少なくとも過去2回は覚えている。高校時代の音楽レビューブログと、大学2年のころのわけのわからない随想ブログである。両方とも読者はほとんどつかず、自己満足のブログに終わった。長く続くこともなかった。もし今回も同じ路線でいけばたぶんそうなるだろう。

注目されるブログの三大条件を即興で考えてみた。

(1)テーマを絞ること
(2)一瞬で引きつけるタイトルをつけること
(3)時代に敏感であること

こんなところだろうか。中でもテーマを絞るというのは、とっても重要なのに実現するのは難しい。俺はとても欲張りなので、あれもこれも書きたいと思ってしまう。ある時は好きなバンドのアルバムをレビューしたいし、ある時は国際政治について書きたいと構想したりもした。興味のある分野は、音楽、政治、文具、文通、ライフハック、芸術、読書、外国語である。しかし、これだけの分野を一つのブログにまとめてしまうのは難がありすぎる。

高3の冬に初めて行った無国籍料理のレストランを思い出した。無国籍料理は、どこの国にも属さない料理というよりは、いろんな国の料理をミックスしたような料理だ。俺は冒険心がない上に好き嫌いが激しいので、すべての料理がリスキーだった。つまり何が言いたいかというと、レストランは、中華なら中華、イタリアンならイタリアンと決まっている方が、食べる方も安心するし、初めてでも入りやすい。大雑把だけど、そんな感じでブログもある程度ジャンルを絞った方がいいんじゃないかと思う。

で、このブログもジャンルを絞ることにした。そして、何についてなら書けるかを考えてみた。結局のところ、「文具」「文通」「ライフハック」の3つにしようと思う。その他のジャンルは、極力控える。でも、関連させて書ける場合は書くかもしれない。軸は今述べた3つとする。

文具:ボールペン、万年筆、ノートなど、そういうものについて書く。ツイッターでもこの話題に関するツイートが一番多い。最近ちょっと落ち着いてきたけど、それでも多い。基本的に、好きなものについては多く語り、嫌いなものについてはあまり語らない。一番多くなるのは万年筆だと思う。

文通:主に海外とのやりとりについて書く。ポスクロ(Postcrossing)という海外文通プロジェクトを通じて知り合った人や、手紙そのものについて書きたい。切手や郵便など、関連する物やサービスについても書くことがあるかもしれない。

ライフハック:デジタル機器のレビューやスマートフォン(専らiPhone)の必須アプリなどを紹介する予定。最近新しいiPodを買ったので、その記事は近いうちに投稿する。このジャンルでは、総じて時間が短縮できる便利なもの・技術について書くつもりでいる。個人的にライフハック記事はなんとなく書きやすい。

では、3つのジャンルについてちょっとだけ書いておく。

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文具と文通にはまったワケ

……俺にはここ一年ほど、どっぷり浸かっている趣味がある。文具と文通である。どちらも陰気くさいと思われがちな趣味であることは承知している。でももともとインドア派でたしかに陰気くさいのだ。公言することに躊躇はない。

ではなぜ文具と文通なのか。

文具も文通も、両方「文」という字が入ることから、文字を書くことに関わりがあることは明らかだ。この文字にこそ、俺は人並み以上の関心を抱いている。中でも手書きの文字は生涯の研究対象といってよい。その証拠に、大学では「文字の美意識」をゼミナールの研究題目に設定した。だいぶ変な学生だと思われるだろう。それも承知している。では、文字の美意識というのはいったい何か。簡単に言えば、なぜ美しく書くのかということになろう。

たとえば書道という芸術は、いかに美しく書くかを追究する。つまり方法や技術の研究である。書道歴の長い俺は、ある時ふと思った。なぜ美しく書くのだろうと。これまで、方法や技術についてはいろいろと腐心してきたが、その目的については、疑問を抱いたことすらなかったのだ。思えば、人がなぜ美しく書くのか説明するのは容易でない。文字は記号だ。だったら、ただ読めればいい。それなのに、人は必要以上に読みやすく、見やすく、美しく書こうとする。それはなぜなのか。そういうことを研究したのが大学3〜4年の時期だった。

文字には格別の思い入れがある。言い換えれば、文字を書くという行為や、文字を書くための道具、文字を書く人々、文字を書く文化・文明について考えている。文具が好きなのは、たぶん文字と直結する道具だからだろうと思う。ちなみに、文具とは本来鋏や定規などを含めて広い意味を持つ言葉のはずだが、だいたいいつも筆記具を指すつもりで言っている。筆記具と言ってもいいけど、なんとなく、文具の方が好きだ。なんといっても「文字の具」で非常にわかりやすい。

文具と同様、文通(手紙)が面白いのは、やっぱり手書きの文字と深い関係があるからだと思う。手書きの文字には、独特の何かがある。その何かがうまく言えないのがもどかしい。尤も、それが言えるようなら研究する必要がなかろう。

時代は変わり、1995年のIT革命以降、人は握っていたペンを捨ててキーボードを叩くようになった。誰が作っても同じの、無機質な字をありがたがる人が増える中で、アナログツールは現代版「廃仏毀釈」の波にのまれ、かつての地位を回復できないでいる。でも、人は未だに手書きの神秘性や不思議さを説明できないじゃないか! 手書きの文字が消えてなくなることは、およそ見当もつかない。

文具や文通を語ることによって、最終的には「字を書くことっていいね」という結論に持っていきたい。

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ライフハックとは何か

最近よく聞くライフハック。マックブックをスタバに持ち込んでドヤ顔をするのはライフハックでも何でもない(と思う)けど、不思議なことにそういう人たちが特に好んで使いたがる言葉だ。あれはいったい何なのか。

結論から言うと、ライフハックとは時短術のことだと思っている。たとえば普通なら10分かかる仕事を5分で終わらせるための手段や道具や技術や考え方のことをいう。ざっくり言えば仕事の効率化のこと。もっとざっくり言えば人生をより豊かにすること。

ただし、iPodを買うことや、iPhoneの便利なアプリを使うことが人生を豊かにするかどうかはわからない。より便利なもの、より効率的なものを志向する態度があれば、もう十分にライフハッカーの素質があると言って差し支えなかろう。

俺は一応自分がライフハッカーだという認識がある。たとえば日記は毎日タイプして、Evernoteに保存している。ノートに書き記す人も多いと思うが、「あれっていつのことだったっけ」と思って見返すときに、膨大な数のページをめくって探すのは効率が悪い。タイプしてEvernoteに保存しておけば、検索によって情報が自由に、一瞬で取り出せる。また、日記の型(フォーム)をある程度定めておくことで、より速く書いたり、検索したりできる。タイプするにはPCでも構わないが、俺はポメラというデバイスを使う。文章を書くことに特化したマシンだ。一度使うと手放せなくなる。ポメラについてもいつか必ず記事を書こう。日記術もだ。

電子機器だけがライフハックではない。コーヒーショップで本を読んだりするときは耳栓が欠かせない。周りの音をシャットアウトすれば、まるで自分の部屋のようにくつろげるのだ。これも立派なライフハックと言えよう。万年筆のインク瓶を持ち歩くのが大変なので、先日、無印良品で携帯用の化粧品ケースを買ってきて、それにインクを小分けした。これで常時インクを携帯でき、外出先でのインク切れにも対応できる。これもライフハックと言えよう。

こういう日常生活のいろんな工夫を、読者と共有できればいいと思っている。文具・文通とライフハックでは、非効率と効率の両極のような組み合わせだが、それもまた面白いことになりそうだ。実際、それらは両立できている。何の問題もない。

ということで、「文具」「文通」「ライフハック」の3つのジャンルに絞って、このブログを更新していきたいと思う。前置きにしてはいささか置きすぎた観があるが、久しぶりのブログ開設で張り切っているせいと思って暖かく見守っていただきたい。

(※マシマロは関係ない、本文と関係ない)