黒猫陛下の書斎

「試筆」とは、試し書きのことではない。

文具

古典インクにある実家のような安心感

万年筆「カスタム74」に、また古典インクを入れている。7年前に74を手に入れ、初めに入れたのがペリカンのブルーブラックだった。それからしばらくしてパイロットの色彩雫を使うようになり、「月夜」「深海」「紺碧」と、しばらく染料インクの時期があったが…

システム手帳「PLOTTER」を使い始めて5ヶ月が経った

◆手帳新調のきっかけ 2019年11月、伊東屋でペンクリニックが開かれた際に、まもなく7年目になる「カスタム74」を持って行った。自分としては特に不具合はないと思っていたが、ドクターから「インクの出が少し悪くなっている」と言われ、ペン先の隙間の調整と…

手を汚さずに万年筆のインクを吸入する方法

インクを吸入する上で特に気をつけなくてはいけないのは、インクをこぼさないことと、ペン先にダメージを与えないことだが、それらが当たり前にできるようになってくると、今度はいかに手を汚さないで作業を終えられるかということが意識に上ってくる。慣れ…

パイロット・ハイテックCコレトの書きやすさは異常

パイロットのペンは、軸の重心バランスが好みに合うものが多い。万年筆にしても、ボールペンにしてもそうだ。繰り返し主張しているが、ペンの書きやすさは、第一に重量バランスで決まる。俺は、尻軸の方が重たくなるリアヘビーのペンが特に苦手だ。軽い力で…

買い物オブザイヤー2014

去年、初めて書いた“買い物オブザイヤー”の記事。あまたのブロガーが年末に書くテーマだが、買い物で今年を振り返るという視点はなかなか良い。今後、このブログでも定番にしようと思っている。 残念なことに、去年選ばれたAKGのヘッドホンは、ある事情があ…

お洒落なクリップボード「スナップパッド」が小さなブームに

ニューヨーク生まれの文具メーカー・ポスタルコが2011年に発売した「スナップパッド」というアイテムをご存じだろうか。これは一部の万年筆ユーザーの間で小さなブームになったことがあった。簡単にいえばお洒落なクリップボードなのだが、まさか自分がこれ…

ダイアミン(Diamine)の古典インクを購入

ナガサワで取り扱われるようになったダイアミンのレジストラーズインク(ブルーブラック)を買ってきた。ラミー、ペリカンに次いで、3つめの古典インクである。容量はわずか30mlで、税込み1782円。ご存じのようにラミーもペリカンも超お手頃価格のインクなの…

ナガサワに古典ブルーブラックの「黒船」来航?

ナガサワ文具センター茶屋町店のツイッター広報によると、ナガサワでダイアミンのインク101色が取り扱われるようになった。ダイアミンはイギリスのメーカーで、英語表記はDiamine。万年筆インクのメーカーとしてはペリカンやモンブランほど知名度はない。そ…

5分で読める古典インクのすすめ(その2)

“万年筆ブームが来ている”という実感は、だんだん強くなってきた。俺がはじめて万年筆を買った2011年(わずか3年前)と比べても、店舗の品揃えも、メディアでの取り上げられ方も明らかに違う。なぜ今頃になって、万年筆が注目を浴びるようになったのか。それ…

糊の代わりに使うべき3つのアイテムとは

大学時代から海外文通を続けていて、封筒をとじるという作業は日常的にある。はじめのうちは家にあったスティックタイプの糊で封筒をとじていたが、どうもそれでは満足がいかなくなってきた。糊は昔から気に食わないところがある。ムラがあるとすぐに剥がれ…

ペンクリニック日程情報の探し方

◆おことわり 本来、当ページではおよそ5年にわたりペンクリ日程を調査・掲載してきましたが、2019年末を以て更新は停止しました。 ただし、ブログ自体は低速ながら今後も続けていく予定です。 ペンクリニックの情報は、ドクターの所属組織や、開催店舗などに…

ミイラは生き返る

俺にとって数少ない舶来の万年筆であり初めての金ペンでもあるスーベレーンは、もうかなり長い間隠居生活を送っていた。プロギアを買ってから出番が少なくなっていくスーベレーン。カスタム74を使い始めてからはとうとうインクが抜かれ、ミイラ状態だった。 …

パイロット万年筆用コンバーター「CON-70」はいい、とてもいい

カスタム74を使い始めて、2ヶ月とちょっとが経った。2月中旬に手に入れたばかりの新品だが、すっかり日常の道具としてこなれている。1本挿しペンケースも鞄の中で擦れて光沢が出てきた。仕事でもプライベートでもほとんど74しか使っていないので、早いときは…

万年筆の意外な使い方

新聞を読むときに、紙がずれたりばらけたりしてイライラした経験はないだろうか。床に広げて読むなら問題はないが、机の上などで順次ページを後ろに折りながら読んでいると、いつの間にか上下にずれてしまったり、きちんと真ん中で折れなかったりする。それ…

見た目だけで選んだら3本挿しペンケースの中身はどうなるか

カスタム74を使い始めてから特にこれといった不満もなく、「いま欲しい万年筆は?」と聞かれたら「ない」と答える。それくらい、この万年筆のことは高く評価している。 しかし、万年筆の世界は深い。購入するかどうかは別の問題として、いろいろ目移りしない…

「最後の万年筆」カスタム74を手にして思うこと

先日、今年の誕生日プレゼントにと、万年筆をもらった。人から万年筆を贈られたのは初めてだ。もらったのは、パイロットが1992年に発売して以来のド定番、カスタム74。俺はブログでもツイッターでも、このカスタム74が最後の万年筆になると宣言してきた。ま…

セーラーのペンクリニックに行ってきた

何も万年筆に限ったことではないが、同じ道具をいくつも持つ人にとって、多かれ少なかれ個体によって愛着に偏りが出てくることは避けて通れない。俺の場合もまた、できるだけ早く購入することに決めたカスタム74を除けば、いま持っている万年筆の中ではセー…

「万年筆は寝かせて書くもの」か?

万年筆は寝かせて書くもの、というのは半分正解であって半分正解でないと思っている。こういう記事があった。マンボウの昼寝「万年筆の筆記角度 再び」http://plaza.rakuten.co.jp/myaa0218nyan/diary/201311120000/たしかに、万年筆はやや寝かせて書く人が…

ローラー&クライナーの万年筆インク、耐水性は……

以前から大騒ぎ、いや小騒ぎしているR&Kのインクについて決定的な情報が入った。ありがたいことに、さまざまなR&Kのインクを使って耐水性実験を行い、その結果を教えてくれた人がいる。 @twaskitter 昨日報告するつもりだったのですが遅くなってすいません…

朝日新聞に3人の万年筆の達人

近年の万年筆ブーム(?)を反映してのことか、朝日新聞に万年筆のコラムが3日連続で掲載された。取材を受けたのは、1日目が『趣味文』でおなじみの万年筆画家古山浩一氏、2日目が神戸ナガサワ文具センターの開発室長竹内直行氏、3日目がセーラー万年筆のイ…

残念だがローラー&クライナーの耐水性は低いらしい

光栄なことに、pgaryさんのブログ「趣味と物欲」で、「ローラー&クライナーは顔料インク」と書いた自分の記事が取り上げられた。そこには実際にR&Kのインクを購入した人が行った耐水性実験の結果が記されている。 結論からいうと、R&Kのインクが(水性)…

知らなかった! ローラー&クライナーは顔料インク!

ローラー&クライナーの万年筆インクについて書かざるを得なくなったのは他でもない。古典インクについての記事で「スカビオサ」と「サリックス」が古典インクであることについては述べたが、これらを除く16色が顔料インクであるということをつい先日まで知…

何本までが万年筆初心者なのか?

今月、国内最大手のパイロットから初心者用万年筆「kakuno(カクノ)」が発売され、話題になった。ツイッターでフォローする万年筆ファンや文具ブロガーらがこの万年筆を異口同音に高く評価していたので、気にならないはずはなかった。早速いつもの文具セン…

モレスキンの表紙を海外の古切手でカスタムする方法

トラベラーズノートに飽きてきたなあと思っていたら、アマゾンでポケット方眼モレスキンが338円で叩き売りされるという“事件"があり、折良く2冊ほど手に入れた。せっかく使うなら好きなようにカスタムしてやろうということで、海外の使用済み切手を貼り付け…

筆ペン好きがこだわるぺんてる筆の魅力

筆ペンと万年筆の共通点 万年筆、ボールペンの他に、もうひとつ好きなペンがある。それは筆ペンである。墨と硯がなくても手軽に筆文字が書ける筆ペンは、今でこそ何の目新しさもない、いやむしろ古くさい道具にすらなっているが、まだ筆と硯と墨を使うしかな…

パイロット・カスタム74の書き味に衝撃!

初めてのモリタ万年筆 先日、『趣味文』にもよく出てくる大阪・北浜の有名店、モリタ万年筆に初めて行ってきた。万年筆が定価より2割ぐらい安く買える上に、修理なども受け付けてくれる。創業1946年とあるから、銀座伊東屋(1904年)や神戸ナガサワ文具セン…

ラミーのブルーブラックが染料になった今、どのインクに乗り換えるか?

先日、とても残念なニュースが耳に入った。耐水性にすぐれたラミーのボトルインク(ブルーブラック)の製法が変更され、もはや古典インクではなくなっているというのである。これまで、ラミーのブルーブラックはボトルとカートリッジとでインクの成分が異な…

買ったばかりのセンチュリー#3776をペンクリニックで調整してもらった話

センチュリー#3776といえば、言わずと知れたプラチナ万年筆のフラッグシップモデルである。団塊の世代に多い古参ユーザーに圧倒的な支持を得るこのモデルが、最近、若い人々の間でもにわかに注目を集めているらしい。 「日本最高峰」の万年筆 #3776という数…

ガラスペンの魅力

「書けるガラス細工」ガラスペン 万年筆に似た道具で、ガラスペンというものがある。いわゆるつけペンの一種で、1902(明治35)年に佐々木定次郎という日本人によって考案された。その名の通り、ガラスでできている。いわば「書けるガラス細工」で、繊細で透…

トラベラーズノートをビーズでカスタマイズしよう!

ツイッターやブログなどで見るかぎり、トラベラーズノートのカスタムで一番多いのはビーズを使った装飾である。カバーを閉じる際のゴム紐にいくつかのビーズを通すと、民族的な雰囲気が出て見映えがよくなるのだ。いつかは自分もこれをやってみたいと思って…